このページを読まれているあなたは、きっと読書家なのだと思います。
読書は楽しくて為になる有益な趣味だ、そんな風にお考えなのではないでしょうか?
しかし、この本によれば、〇〇な読書をしていると馬鹿になる、と言います。
本を読んで褒められこそすれ、そんな風にけなされることなんて、ありませんでしたよね?
一体、どういうことなのでしょうか。。。
と言うわけで、いかに読書をすべきかについて学ぶところから、このブログをスタートしたいと思います。
これを読んで、教養の海への船出に備えるべし!
ものすごく簡潔な要約
- 本を読んでも、自分の血肉になるのは、反芻し、じっくり考えたことだけである。
考えることをせず多読に走ると、何も身に付かないばかりか、自分の頭で考える力が失われてゆく。 - 悪書は、読者から時間と金と注意力を奪い取るものであり、役に立たないどころか有害である。
読むべきは、そのテーマの創設者・発見者の書いたもの、もしくはその分野で高く評価されている大家の本である。 - 良い文章とは、主張すべき内容を持っており、難しい文句や曖昧なほのめかしを使わず、簡単で飾らずに述べたものである。
すなわち、普通の言葉で非凡なことを語った文章のことである。
この本のおすすめポイント
- めちゃめちゃ読みやすく、あっと言う間に読破できる。
私の買った光文社古典新約文庫であれば、訳注・解説を除いた本文がたった140ページ。また、翻訳も現代語で平易な文である為、サクサク読み進めることができます。つまり一晩もあれば、「ショーペンハウアー?もちろん読んだよ。」とドヤることができます。さらに二晩~三晩もあれば、気になる所を何度も読み返したり、気に入った文章をノートに書き出したりして、自分の血肉にすることができます。 - 読書に対しての心構えが変わる。
一般的には「読書する=エラい」という図式が常識化しているのではないかと思いますが、この本はその図式を完膚なきまでにぶっ壊してくれます。
恐る恐るこの本を読み始めた私は、「自分自身の考えを持ちたくないやつは、一分でも空き時間ができたら、すぐさま本を手にとればいいよ」みたいなことを言われ、わずか10ページ目にして涙目になってしまいました。
さらには、「自分自身で考え抜いて真理に辿り着くことこそが至高。だけど、ずっと考え続けられるわけでもないので、考える為の材料を供給すると言う意味で本を読んだらいいんじゃね?」みたいな言い方をされて、読書に対するモチベーションが一瞬下がったのでした。
ものすごくきつい言い方をされ、これまでの読書人生を否定されたような気になってしまうかもしれませんが、単なる自己満足ではない、真に有益な読書は何かということが肚に落ちます。
ちなみにこの本の帯には「切れ味抜群の超ドS読書術!」と書かれているのでした。。。
教養王の気づき
- 人は振り返りが9割
この作者に言わせると、「単なる経験」も、「読書」と同じく「考えること」には及ばないそうです。経験であれ読書であれ、それについて振り返り、反省し、自分のものにしない限りは価値がない、と言うことですね。
仕事についても然り。仕事に追われ、ガムシャラに目の前の業務をこなしていると、「俺、頑張ってるな」と自分に甘い言葉をかけてあげたくなりますが、ただ手を動かしているだけではダメ。一日の終わりに自分の仕事を振り返り、何が上手くいって何が上手くいかなかったのか、それは何故か、明日はどう改善するのかと考える、それによってのみ人は成長できるのではないかと感じました。 - 水は低きに流れる
この作者は次のようなことも言っています。
「読書をしている間、ものを考える活動は棚上げされる。自分の頭で考える営みをはなれて、読書に移った時、ほっとするのはそのためだ。」
これは本当に耳に痛い言葉でした。私は「読書をすること」は「努力すること」に他ならないと思っていたのですが、実際には真の努力(例えば英語を勉強することであったり、論文を書くことであったり、自分の頭で考えること)を避けて楽な方に流されていたのだなぁ、と気づかされました。
考えることはエネルギーを使う。自分はそこから逃げていないか?この仕事は前例通りにやればよい、と思考停止に陥っていないか?上司にきめてもらおう、と自分の役割を放棄していないか?常に自分に問いかけていきたいと思います。
コメント
[…] 1時間足らずで読める。本文が62ページしかない上に、1ページあたりの文字数も少なく、あっと言う間に読めます。この手の本って、本の価格を吊り上げる為に、同じようなことを繰り返し語ってページ数を稼ぐようなケースが多々ありますよね。しかし、この本は贅肉なし!必要十分なことだけ語って、スパッと終わってくれます。ショーペンハウアーが言った通り、良書は無駄に飾り立てることをしない、ということですね。 […]