『アイデアのつくり方:ジェームス・W・ヤング』の要約とおすすめポイント解説

武装色

「何故あの人は次々とアイデアが思いつくんだろう?」と人を羨ましく思ったことはないでしょうか?
良いアイデアを生み出せるのは、特殊な才能の持ち主だけだと、あきらめてはいないでしょうか?

この本によれば、アイデア作成の基礎となる一般的原理があり、アイデアを作り出す為の具体的な方法があると言います。
すぐにでも実践できる(ただし修練が必要!)方法ですので、あなたも是非、この本を手に取り、アイデアのつくり方をマスターしてください。

ものすごく簡潔な要約

  1. アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせであり、これを生み出すには事物の関連性を見つけ出す能力が必要とされる。

  2. アイデアを作るには、次の5つのステップを踏む必要がある。
    • 資料を収集する。集めるべきは、解決したい問題に直接関係する情報と、世の中の一般的な知識、この2種類の資料である。
    • 集めた資料の一つ一つを咀嚼し、要素と要素の組み合わせを吟味する。これ以上は何も出てこない、というところまで考え抜く
    • 問題について考えるのをやめ、無意識の思考が何かを生み出す作業をするのに任せる。その間、想像力や感情を刺激するもの(音楽や映画など)に心を移す。
    • 思いがけないある瞬間、アイデアが訪れる。(ユーレカ!分かった!見つけた!)
    • アイデアを実際の問題に適用する為に、具体化させる。他の人々からの批判を仰ぐことで、アイデアを成長させていく。

この本のおすすめポイント

  1. 1時間足らずで読める。
    本文が62ページしかない上に、1ページあたりの文字数も少なく、あっと言う間に読めます
    この手の本って、本の価格を吊り上げる為に、同じようなことを繰り返し語ってページ数を稼ぐようなケースが多々ありますよね。しかし、この本は贅肉なし!必要十分なことだけ語って、スパッと終わってくれます
    ショーペンハウアーが言った通り、良書は無駄に飾り立てることをしない、ということですね。

  2. アイデアの本質が理解できる。
    アイデアを作る5段階も、もちろん使えるスキルなのですが、「アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」という言葉が、私の心に一番刺さりました。

    これはつまり、アイデアを次々生み出す人は「既存の要素」を頭の中にたくさん蓄えているということ。決して生まれついてのひらめき屋というのではなく、これまでの経験でいろいろな知識を得てきている、ということなんですよね。
    「自分はあの人のようなセンスを持ち合わせていないから。。。」という言い訳は全くの的外れ。あの人のようなアイデアを生み出したければ、あの人と同じぐらいの努力をしなければいけない、ということだと思いました。

教養王のきづき

  1. 創造的な仕事はよい休息から生まれる。
    アイデアを作る5段階の中で、一番目から鱗なのは、第三段階:考えるのをやめ、無意識の思考に任せるフェーズではないでしょうか。
    確かに、テレビでアニメを見ている最中に突然閃いた、とか、買い物中にアイデアが浮かんで手元にメモするものがなくて困った、などと言った経験は、誰しも一度くらいはしたことがあるのでないかと思います。

    これはつまり、ずーっとひたすら考え続け、働き続けてたら、逆にアイデアは生まれてこない、ということ。オフの日は仕事のことを忘れ、心がリラックスできて、楽しいと思えることをすることで、かえって仕事に有益な考えが浮かんでくるということです。

    ワークライフバランスの重要性が叫ばれて久しいですが、創造的な仕事は良い休息から生まれる、と考えれば、「積極的に休みを取ろう。休みを楽しもう。」と言う意識に変わってくるのではないかと思います。

  2. やっぱり教養(=リベラルアーツ)は大切。
    アイデアを作る第一段階:資料を集めるフェーズでは、問題に直接関係する情報だけでなく、世の中の一般的な知識を集めることも必要だとされています。世の中の一般的な知識、つまりリベラルアーツの領域の知識ですね。

    何故これが必要かというと、アイデアが既存の要素同士の組み合わせで生まれるからに他なりません。例えば仕事で独創的なアイデアを出そうと思った場合、他の人が持ってきそうにない「要素」を持ってくる必要がありますよね。しかし、問題に直接関係する情報(=仕事の専門知識)は、多かれ少なかれ、あなたのライバルは誰しもが持っているものです。そこで差を付けられるのが、リベラルアーツの領域というわけです。

    そう、つまり、趣味の読書は楽しいのみならず、いつか仕事の上でのアイデアを生み出すかもしれない「要素」を蓄積することに繋がっているのです。そう思うと、読書に対するモチベーションも、さらに高まるのではないでしょうか。

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